2024年のエンベディッドバリュー(EV)レポートでは、アジアの多国籍企業および各国の生命保険会社が発表した2024暦年の業績について分析しています。その結果、ほとんどの国でEVが増加しました。債券利回りについては、中国とインドで低下したものの、日本では上昇するなどばらつきが見られました。
主なポイント:
- 全体として、2024年に報告されたEVはプラスの成長となりました。
- 国別で見ると、ベトナム(25%)、マレーシア(13.3%)、台湾(13.7%)、タイ(11.9%)、インド(9.3%)、中国(5.1%)、香港(4.7%)、日本(1.3%)で増加し、インドネシアでは減少(-1.5%)しました。
- 引受保険料総額は全体で7.1%増加し、12億4,300万米ドルとなりました。
- 調整後純資産(ANW)は、インドで高い収益性により57.9%増加するなど、地域全体で概ね増加しました。一方、日本では金利上昇の影響で44.4%減少しました。
- 新契約価値(VNB)は全体で8.3%増加しました。
- 保有契約価値(VIF)は、中国を除くアジア全市場で増加しました。中国では予定投資収益率の下方修正によりVIFが減少しました。
- EV倍率(Price-to-EV ratio)は、AIAグループおよびインドの民間生命保険会社を除き、依然として100%を大きく下回っています。