本報告書では、2026年7月に公表された2025年末ソルベンシーおよび財務状況報告書(SFCR)に焦点を当てています。SFCRには、各保険会社に関する多くの情報が含まれており、契約実績、リスク・プロファイル、貸借対照表ならびに資本ポジションの詳細などが記載されています。また保険会社は、SFCRに含まれる公開用の定量的報告テンプレート(QRT)に、多岐にわたる定量情報を公表することも求められています。本分析は、主として生命保険の販売に注力している保険会社のサンプルに基づいており、一部の生損保兼営保険会社は除外しています。再保険会社については、その事業が主に生命再保険であると判断される場合は対象に含めています。
本報告書の中で特に重要なのは、ソルベンシーIIとソルベンシーUKのQRTの違いです。2025年1月に正式に改正されたソルベンシーII指令は、欧州連合全域で適用される改革の大枠を定めました。一方、英国の保険市場は2021年1月以降、健全性監督機構(Prudential Regulation Authority、PRA)および金融行為監督機構(Financial Conduct Authority、FCA)のみが規制を行っています。そのため、PRAおよび英国政府は、ソルベンシーUKとして知られる独自の規制の枠組みを設計することが可能となり、結果としてソルベンシーIIとの相違が生じています。
主なポイント:
- ミリマンによる欧州および英国の生命保険市場の分析は、32カ国および3地域の654社を対象としています。
- 対象グループの総収入保険料は約8,990億ポンド(1兆300億ユーロ)で、2024年から16%増加しました。これは、欧州保険・年金監督機構(European Insurance and Occupational Pensions Authority)が公表したデータに基づくものであり、過去数年間に確認されている生命保険料の継続的な増加傾向を反映しています。
- 各社のグロスの技術的準備金総額は8兆1,870億ポンド(9兆3,830億ユーロ)で、12%増加しました。