2025年12月、インドネシアのシャリア会計基準審議会(Syariah Accounting Standards Board)は、公開草案「PSAK 408:シャリア保険会計」を公表しました。PSAK 408は、インドネシアにおいて国際財務報告基準(IFRS)第4号に相当する基準であるPSAK 108を改訂し、置き換える基準です。今回の改訂では、2025年1月から従来型保険会社に適用されているPSAK 117(グローバルなIFRS第17号に相当)との整合性をさらに高めるため、インドネシアにおけるシャリア保険契約に関する会計処理の変更が提案されています。PSAK 408の効力発生日は2028年1月1日となる予定です。
この公開草案は、契約のグルーピングや履行キャッシュ・フローなど、PSAK 117と共通する概念を採用している一方で、両者には大きな違いもあります。本稿では、この公開草案における要件の重要ポイントを取り上げます。また、PSAK 408の主要要件の一部について、従来型保険会社向けのPSAK 117と比較するとともに、地域の参考例として、マレーシアのタカフル事業者に適用されるMFRS 17(グローバルなIFRS第17号相当基準)とも比較します。
主な論点は以下のとおりです。
- 要件の概要:構成要素の分離、測定モデル、契約の境界などに関するPSAK公開草案の要件
- PSAK 117およびMFRS 17との比較:契約上のサービス・マージン、リスク調整、割引率などの項目について、インドネシアの従来型保険、マレーシアのタカフル、インドネシアのシャリアの各枠組みを比較した考察
- 示唆:PSAK 408の実務適用要件がなお不明確である重要領域、PSAK 408とPSAK 117の差異に起因する固有の課題