本稿では、欧州の生命保険会社に関わる8月の規制の進展について振り返ります。金融行為規制機構(Financial Conduct Authority、FCA)および健全性規制機構(Prudential Regulation Authority、PRA)が公表した関連事項について、以下を含む組織ごとの詳細を確認します。
- FCA が、AIモデルやソリューションのイノベーションを支援するAI Labの第5世代で最新のコンポーネントである「人工知能(AI)ライブテスト」への申請を受け付けています。
- FCAが、気候関連財務情報開示タスクフォース(Taskforce on Climate-related Financial Disclosures、TCFD)の提言を含む気候関連報告に関する調査結果と今後の方針を公表しました。
- FCAが、生命保険会社18社(個人年金の約80%を占める)から提供されたデータに基づき、生命保険会社による年金移転プロセスの結果を公表しました。
- FCAが、その優先事項を明確化し、消費者義務(Consumer Duty)要件の継続的確認と整合させることを目指し、監督上のコミュニケーションを簡素化する計画を発表しました。
- PRAが、イングランド銀行(Bank of England)の金融政策を支える分析フレームワークの見直しを発表し、モデリング能力の拡充やモジュラー型シナリオ分析の分野で改善が必要であることを指摘しました。