本稿では、2025年12月31日に終了した会計年度における英国自動車保険市場の業績の分析結果と、公開日までの市場の課題に関するコメントを紹介します。本レポートは、ソルベンシーIIの自動車保険に関する2つの事業分野(自動車損害賠償責任保険とその他の自動車保険)に着目します。分析は主に、英国の自動車保険会社の2025年末のソルベンシーおよび財務状況報告書(solvency and financial condition reports、SFCR)に含まれる定量的報告テンプレート(quantitative reporting templates、QRT)に記載された情報に基づいています。
ハイライト:
- 自動車保険の元受収入保険料:2025年、本調査のサンプルに含まれる英国の損害保険会社35社の自動車保険料は219億ポンドとなり、前年の228億ポンドから減少しました。
- 自動車保険市場は引き続き変化:保険金請求コストを圧迫し続ける中でも、市場環境は大きく軟化し、平均保険料は下落しました。
- 不正は、引き続き英国自動車保険市場における重大な課題:不正リスクの性質が変化しており、AIがより大きな問題になってきています。
- 多様化・変化する車種:電気自動車は2025年も堅調に普及し続け、バッテリー式電気自動車の登録台数は約190万台に達し、前年比35%増となりました。
- 自動車保険市場に影響を与える外部要因:インフレに加えて、センサー、カメラ、高度運転支援システムなど車両の複雑化から、修理費が上昇しています。また、道路にできた穴に起因する保険金請求コストも引き続き顕著な圧迫要因となっており、その金額は4,000ポンドから6,000ポンド程度となることが少なくありません。